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プロフィール

氏名
山田 章一
生年月日
1964年4月24日生
略歴
1987年 東京大学理学部物理/学科卒業
1992年 東京大学大学院理学系研究科 物理学専攻博士課程修了
1992年 日本学術振興会特別研究員
1993年 東京大学理学部物理学科助手
1995年 日本学術振興会海外特別研究員
2000年 大阪大学レーザー核融合研究センター助教授
2002年 早稲田大学理工学部物理学科助教授
2005年 早稲田大学理工学術院物理学科教授
現在に至る

宇宙には、地上では考えられないような高エネルギーの現象がたくさんあります。 私が主たる研究テーマとしている超新星もその一つです。 超新星は非常に明るい天体です。 銀河は100億個程度の星の集まりですが、超新星はそれ一つでこの銀河一つ分に匹敵する明るさを持っています。 爆発のエネルギーに直すと、太陽から地球が一年間に受けるエネルギーより、約20桁も大きなものになります。しかもこの莫大なエネルギーがわずか1秒以下という時間のうちに放出されます。 このような高エネルギー現象では、いろいろ地上では考えられないようなことが起こります。 神岡鉱山の観測装置スーパーカミオカンデでは太陽や宇宙線からくるニュートリノという素粒子を観測していますが、超新星は莫大な量のニュートリノを放出します。 事実、スーパカミオカンデの前身であるカミオカンデ観測器は、超新星1987Aから飛んで来たニュートリノを観測して一躍有名になりました。 また、超新星が起こった後には、中性子星やブラックホールといった、宇宙のいわゆるコンパクト高エネルギー天体が形成されると考えられており、超新星の研究はこうした興味深い天体の形成メカニズムを研究することにもなるわけです。

宇宙物理学のおもしろさは、地上で実現できないような極限的な状況のもとで、我々がこれまでに知り得た物理の理解が正しいかを確かめることができるということにあります。 超新星を研究することは、そのメカニズムを明らかにするだけでなく、そこで実現されているであろう高温、高密度、強重力場を実験場として、我々の素粒子、原子核、重力理論等に対する理解が正しいかを確かめ、あわよくば何か知らなかったことを見つけだそうという試みも含んでいます。

最近では、超新星以外にもいろいろな高エネルギー天体が注目をあつめています。 例えば、宇宙のあらゆる方向で等方的におこっているγ線バーストという現象では、これをおこしている天体の正体はまだ何か分かっていませんが、超新星かそれ以上の高エネルギー天体であろうと思われています。 これ以外にも、地上で最も強い磁石より10桁以上も強い磁場を持った中性子星が発見されるなど、高エネルギー天体物理学は今非常に面白い時期を迎えています。 こうした天体は、実はお互いに関係しているのではないかと考えられており、私の研究もそうした可能性を探っていく方向に向かっています。

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